2016年4月27日水曜日

一人が一匹を救う、という考え


 私たち一般市民は、野良猫の問題をNPOのような活動団体任せにしがちである。かく言う僕も過去に三回、三つの活動団体に野良猫を救出してもらえないか尋ねたことがある。しかしそれらは、詳細を伝える以前にすべて断られた。しかし考えてみれば、彼らに無制限に野良猫を救出することを期待するほうが間違っている。一人が一匹の野良猫を救うほうが、一つの活動団体が百匹の猫を救うよりも健全だとも言える。私たち市民は自分たちでできることをするべきなのだ。

僕は、一度に何匹もの野良猫を救出することは勧めない。複数の猫を飼育することは、飼い主が貧しくなったり、病気になったり、亡くなったときなどにはより深刻な問題になる。僕が考える理想は、一人一猫の救出である。この考えと活動が広まれば、野良猫は減るだろう。街に野良猫がいかに多いとはいえ、人の数ほどではないからである。

しかし、ここで私たち東京の市民は、東京の賃貸住宅の九割がペットの飼育を禁止している、という障壁に突き当たるのである。僕はこのルールを無視していいとは思わない。弱った生命を救うことを優先し、二度ルールを破ったことがあるが、今では残りの一割のうちのひと部屋に引っ越している。しかし、この社会傾向はやはり転換されるべきである。猫を飼えない・救えない理由に、このルールを挙げる人は少なくない。大家さんや管理会社の人たちには、ペットの飼育を許可することは、生命を救う行為でもある、ということをぜひとも知ってもらいたい。


2012年8月31日 東京都内にて撮影 ©Naoto Shinkai