2016年3月6日日曜日

野良とは、長生きできない、という意味


路上は、猫が暮らすのに適した場所ではない。

私たちは「野良猫は自由だ、すばしっこい、たくましい」と楽観的に考えがちである。しかし、それは現実ではなく、願望に過ぎない。そう言うことで、私たちは不都合な事象から目を逸らし、呵責からのがれようとする。

現実には、野良猫の多くが、猫エイズや猫白血病、腎不全、その他の感染症など深刻な疾病を抱えている。そうでなくとも、身体に障害があったり、交通事故や悪意ある人間によるトラウマを抱えていたりする。獣医師のもとへ連れていけば、彼らがどれほど傷ついているかを、医学的な数値がはっきり提示する。

日向で毛づくろいをしている野良猫がいる一方で、影から影へと人目をしのぶ野良猫たちが数えきれないほどいる。彼らが病気になって動けなくなると、行政はそれを駆除の対象とみなす。仔猫たちも、たとえ健康であっても、同様である。

しかし、僕は行政の非よりもむしろ、安易な餌やり行為に問題の核心があると考えている。6年間、東京の野良猫たちを追い、触れ合い、数え切れないほど撮影し、その過程で餌やりの人たちと出会い、会話を交わした結果、そう思うのだ。

野良猫の寿命はおよそ3年から4年だと言われる。しかし、その概算には、死産や幼猫の死、人目のつかない場所での多くの死が含まれていないはずである。


2013年3月1日 東京都内にて撮影 ©Naoto Shinkai